重家酒造 横山蔵新日本酒蔵完成披露祝賀会 2018年5月20日(日)
平成30年5月20日(日)、九州の北部の玄界灘に浮かぶ小さな島(壱岐の島)にあります重家酒造様より重家酒造株式会社横山蔵新日本酒蔵完成披露祝賀会にお招き頂き、人生初の壱岐の島へ!
九州は福岡県・博多港より約2時間半フェリーに揺られ到着。 泳いでいる魚が見えるくらい綺麗な海と鮮やかな緑が囲む山、心地よい海風が出迎えてくれました。
披露祝賀会には全国の名だたる特約店、飲食店、蔵元が集結、緊張を和わらげるかのように、上品な果実香、柔らかな甘味と後キレの良い日本酒『横山五十 純米大吟醸』がウェルカムドリンクに。2017年、田植えから稲刈りまで丹念に栽培した壱岐産の山田錦で醸した『横山元年・純米大吟醸』で乾杯!三代目横山省三(会長)様そして、四代目雄三(代表取締役社長)様、太三(専務)様のご挨拶がありました。
ここで、 日本酒製造再開に至るこれまでの経緯をご紹介致します。重家酒造は麦焼酎と日本酒も製造してましたが、平成2年に杜氏の高齢化を理由に日本酒造りを休止。焼酎蔵7蔵、日本酒蔵2蔵になってしまいましたが、日本酒は2蔵とも製造していない状況でした。
2013年に太三さんが佐賀の酒蔵へ修行に行き、24byの日本酒を仕込みました。記念の再スタートの年とするために、一升瓶で2013本を出荷。日本酒 『確蔵 OurSpirit(僕らの想い)』を発売。その後、山口県で銘酒「東洋美人」を醸造している澄川酒造に場所を借りて、純米大吟醸「横山五十」発売。兵庫特A区生産の山田錦を精米歩合50%まで磨き上げたお酒は日本、海外でも高い評価 を受ける。ちなみに名前の由来は、名字の横山と、五十は山田錦の精米歩合50%を意味してます。
2014年には、九州S1グランプリ(=九州産の酒コンテスト)において、「横山五十BLACK」が準優勝。2015年元サッカー日本代表の中田英寿氏が主宰した、イタリアミラノでの日本酒プロジェクト「SAKENOMY」で「横山五十WHITE」が出品され、その後イタリアンレストラン6店舗、日本食レストラン24店舗に「横山五十」を卸すこととなり非常に高い評価を受けました。2016年ブラインド・テイスティング(銘柄を見せずに審査する方法)で日本酒の出来を競う「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2016・SAKE部門」「純米大吟醸の部」に初出品した「純米大吟醸 横山五十」と「純米大吟醸 横山五十 黒ラベル」の2点が、ともに銀メダルを獲得。
そして、2018年5月17日、念願の壱岐に新しい日本酒蔵が完成しました!
特に専務太三さんの「どうしても、もう一度、壱岐の地で日本酒を復活させたい」という熱い想いが胸に響きました。太三さんと『東洋美人』を醸す澄川酒造澄川社長との友情秘話に(涙)。
会では壱岐の海の幸、自然の恵みを堪能しながら、横山五十と麦焼酎も堪能致しました。北は大間の、そして南は壱岐と言われる見事な壱岐産のマグロ、特産の紫雲丹、そして壱岐が誇る黒毛和牛の壱岐牛のステーキは美味しかった~。麦焼酎ちんぐ白麹はソーダ割りでスッキリ(魚料理に合う!)と、ちんぐ黒麹の香ばしい麦チョコ風味は水割りで頂きました(壱岐牛に合う!)。
二次会では、特約店の酒販店様と蔵の方と酒を酌み交わし、その後、蔵の方と壱岐の夜へ。。
二日目は、最初に太三専務に日本酒蔵をご案内頂きました。日本の城を思わせるシックな外観の建物の中に、真新しい、タンク、洗米機、麹室など丁寧に説明していただきました。特に気になっていた仕込み水は、建物の外と中で二回紫外線殺菌装置で処理され万全の状態で使用。日本酒の80%は水でできていますから、新蔵で壱岐の水を使って日本酒造りが始まると思うととても楽しみであります。
次に雄三社長に焼酎蔵をご案内頂きました。重家酒造は初代横山確蔵氏が大正13年(1924年)に創業し、現在四代目雄三社長、太三専務に受け継がれています。初代のいい伝えでもある「現代に左右されず、初心に返り原点にもどるべし」を受け継ぎ現在もなお、木製こしきで米・麦を蒸し、かめで仕込んだ手造り焼酎を続けている年間400~500石(一升瓶換算4万本~5万本)製造している小さな蔵元さんです。
ちなみに壱岐焼酎は400年以上前から麦焼酎を造っている麦焼酎発祥の地で、壱岐で製造、大麦3分の2、米3分の1の割合で製造されている本格麦焼酎を指し、世界貿易機関のTRIPS協定に基づく”産地表示”の保護指定を受けています。(ウイスキーでは、スコッチ・バーボン、ブランデーのコニャック・アルマニャック、ワインのボルドー・シャブリ・シャンパーニュも同じく産地指定を受けています。)焼酎蔵は昔ながらの蔵といった趣で、木製のこしき(米を蒸す道具)や酒を仕込む甕や麹を作る室は健在でした。その中には2016年に導入した最新のドラム式製麹装置や新型の蒸留器が装備されていました。雄三社長のいう「伝統の手仕事を最新技術の融合が新しい麦焼酎を造る」。この最新の機械でこれから様々な新たな味わいの麦焼酎が生まれると語る雄三社長の目は輝いておられました。
特に最新のドラム式製麹装置は太三専務が日本酒造りで学んだ麹造りにおける水分値や温度、湿度などの過程の数値をデータ化したものを、再現、数値化しやすく、麹造りの精度の向上、手造りの麹造りにも生かせるという。また、ドラム式製麹装置の横には麹造りに重要な「外硬内軟」の蒸米を造る整蒸機とスーパーヒーターが完備。整蒸機は原料を蒸す蒸気の温度や不純物除去を自動で行い、スーパーヒーターは蒸しの後半に高温の蒸気を加え、蒸米の中に麹菌が生えやすい、内側が柔らかく外側が硬い「外硬内軟」の麹造りが可能に!家族経営で蔵人が少ない蔵にとって冬場の酒造りは体力勝負、少しでも蔵人への体力面の負担を減らすよう気に掛ける雄三社長の思いを垣間見ました。
それと、雄三社長は原料にもこだわっており、外国産の麦は使わず、原価は3割増しに上がるが国産、壱岐産を使用。近年では契約農家さんと壱岐産の山田錦を栽培、壱岐産の山田錦で醸した日本酒「横山元年」純米大吟醸が発売されました。原料にこだわり、新らたな麹造りと多様な蒸留の出来る蒸留器の様々な可能性の融合で今後のどのような麦焼酎ができるかとても楽しみです。見学の後は、車で壱岐の名所をご案内頂きました、不思議な岩「猿岩」にびっくり
それにしても本当に海がきれいな島でした。最後に雄三社長に壱岐の海鮮丼をご馳走になりました!魚介が美味い!米も美味い!
帰りに、蔵の皆さまがお見送りにきて頂きました!自然、食べ物、人情を「ごっとり」堪能致しました!
※ごっとりとは壱岐の方言でまるごとの意味。
重家酒造様、有難うございました!また、壱岐に行き(壱岐)たい。
瀬間